本文へスキップ

気になることはいつでも気軽にご相談ください。

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.079-289-1123

〒670-0804 兵庫県姫路市保城491−1

夜尿症enuresis

夜尿症とは

5歳以上の小児が就寝中に尿を漏らす現象を「夜尿」と呼び、1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続くものを「夜尿症」 と定義します。
時々おねしょをしてしまう程度の子どもの比率は、5〜6歳で約20%、小学校低学年で約10%ですが、10歳時でも約5%に見られます。ごくまれに成人まで続く場合もあります。

夜尿症の原因

@夜間多尿   :睡眠中に抗利尿ホルモンの分泌が低下して尿量が多くなる。
A排尿筋過活動 :睡眠中に膀胱が収縮してしまう。
B覚醒閾値の上昇:起こしても目が覚めにくいの一つあるいは複数の病因が
         関与していると考えられています。

夜尿症の治療

【1】まずは生活改善に取り組みましょう。
生活改善の実施のみで、約20〜30%の子どもが夜尿が改善してくると言われています。
@規則正しい生活をする
 夜更かしや不規則な生活は夜尿を悪化させます。夕食は少し早めにとり、夕食後から寝るまでは、
 可能なら2〜3時間あけてください。
A水分の取り方に気をつける
 寝る前に水分を取り過ぎると、夜尿につながります。昼間に水分を十分にとって、夕食時から朝
 まではコップ1杯(200ml)の水分摂取にとどめてください。
B塩分を控える
C便秘に気をつける
 便が腸に大量にある状態は膀胱を圧迫して、夜尿の原因になっていることがあります。
D寝る前に必ずトイレに行く
 トイレに行ってから寝る習慣をつけましょう。なかなか寝付けないときは、もう一度トイレに
 いきましょう。
E寝ているときの冷えから守る
 冷えは尿量の増加や膀胱の縮小につながります。
F夜中、無理にトイレに起こさない
 ホルモンのリズムがくずれ、夜尿が治りにくくなることがあります。
2週間〜1ヶ月にわたる生活改善の実施でよくならない場合、薬物療法やアラーム療法を行います。

【2】アラーム療法
夜尿アラームは、尿が出かけたときに、感知して警報が鳴る装置です。アラームが鳴ったら起きて自分で止めてトイレに行くようにする方法ですが、自分で起きられない場合は、ご家族の協力が必要となります。少なくとも6週間以上(平均3ヶ月くらい)は続ける必要があります。
アラーム療法により夜間の膀胱容量が増え、夜尿の頻度や1回尿量が減少する効果が、期待されます。
*当院では、無線タイプの(株)アワジテック「ピスコール」を使用しています。うまくつかえるかどう か試す期間の間、機器は貸し出ししています。

【3】薬物療法
@抗利尿ホルモン薬(内服薬):ミニリンメルト
 体内で水分や尿量を調節しているホルモン(抗利尿ホルモン)と同じような作用があり、尿を濃縮して その量を減らす働きがあります。
A抗コリン薬(内服薬):バップフォーベシケアなど
 膀胱の緊張をとることにより、収縮をおさえ、尿をためやすくする働きがあります。ミニリンメルトや アラーム療法で効果が不十分な場合には、抗コリン薬を追加することがあります。
 抗コリン薬が有効なのは、ミニリンメルトで夜尿回数が減少している症例や昼間の頻尿が見られる症例 です。
B三環系抗うつ薬(内服薬):アナフラニール トフラニールなど
 尿意による覚醒を促進する作用、膀胱括約筋を刺激する作用、尿量減少作用などがあります。
C漢方薬
 症状に合わせて用いることがあります。

治療終了の目安は、夜尿がない状態が3ヶ月以上続いたときに、治療を緩めていきます。
夜尿症治療の原則は、「焦らず、怒らず、ほめる、比べない」です。子どもは、夜尿症があると、周りが思っているより傷ついていたり、ストレスをかかえています。 生活の約束が守れたり、夜尿がなかった日は、しっかりほめてあげましょう。



奥山クリニック

〒670-0804
兵庫県姫路市保城491−1
TEL 079-289-1123
FAX 079-289-3089